塩原 塩の湯温泉(柏屋旅館):栃木県) '15.11月

柏屋旅館 雷霆の湯 一番渓流に近く景色は抜群
桐の湯 大正時代の趣が感じられます かもしかの湯
かわせみの湯 みどりの湯 雄飛の湯
大浴場(大谷石風呂) たぶんライオンの顔した湯口 石筍のような温泉析出物

栃木県那須塩原市塩原364  TEL 0287-32-2921  icon088ie.gif  (11:00-14:00 900円 1時間以内 主に「桐の湯」利用)

開湯約1200年を迎え「塩原温泉発祥の原点」と言われる『塩の湯』は、明治期の面影を残す古くから親しまれてきた温泉で、今なお昔ながらのノスタルジックな雰囲気を残した温泉郷です。

箒川沿いに形成された塩原温泉街からその支流の鹿股川に沿って山に分け入った所に「塩の湯温泉」はあります。
そして山から渓谷へと続く、急斜面にへばりつくように「柏屋旅館」があります。
こちらの宿はこの急斜面に沿っていくつもの浴場があり、それぞれ階段と小道により独特な浴場群が形成されています。
このいくつもの貸切風呂は、宿泊者に限りそのすべてを利用することが出来ます。
立ち寄り入浴も可能ですが、時間制限と浴場が限定されるため、すべての湯に入浴するには、宿泊しなくてはなりません。

かつては湯治場として栄え、多くの文人墨客も湯治客としてこちらを訪れていました。
大正時代に「風呂付の離れ」として建てられ、そして現在は「貸切湯」として利用されている「桐の湯」を利用すればその面影を感じ取ることが出来るはずです。

塩分濃度の高い食塩泉は体を芯から温め、湯冷めしにくいのが「塩の湯」の特長の一つであります。
この辺りは太古(500万年前)は海の中で、当時の岩塩が多くの天然ミネラルをたっぷり含んで現在湧き出ているとの事です。 その事は湯口に生成された温泉析出物を見れ(舐めれ)ば良くわかります。


●雷霆の湯
ここは鹿股川の渓谷美を堪能できる、宿で一番景色の良い浴場です。  女将さんも一押しで、ここは渓谷に日の光が差し込むときに入浴するのが一番おすすめと言っていました。   確かにその通り、渓流の美しさが一層引き立ち、せせらぎの音にしばし時間を忘れてしまう程でした。

●桐の湯
ここは、大正時代に建てられた建物で、当時は風呂付の離れとして別邸のような形で利用されていたとのことです。   現在は脱衣所か休憩処のようになってしまっていますが、欄間・床の間付きの日本間は質素ながら当時の面影を残しています。  入浴中、ふと目をつぶると、かつての文人墨客気分になったようで、まるでタイムスリップしたようです。

●かもしかの湯●かわせみの湯
この二つの浴場は隣り合わせの「双子の湯」と宿では呼ばれています。
いずれの浴場も、対岸の渓谷美を堪能しながら入浴できるらしいのですが、私達は時間の関係で夜間入浴したために、風景を眺めることはできませんでした。

●みどりの湯
みどり沢の傍らにある小ぢんまりした湯船の、まさに崖にへばりついた感のワイルドな浴場です。
もちろん景色を眺めながらの入浴が楽しめます。
小さいけれど、その分自然を独り占めしたような気分になれます。

●雄飛の湯
こちらはロビーから一旦外に出て「みどり沢橋」を渡ってすぐの渓谷側にあります。
独立した湯小屋の先の木立に囲まれた、やはり渓谷美を堪能できる浴場です。
母屋から離れている分、自分だけの世界に浸れる感があります。

●大浴場
大谷石をふんだんに使用したレトロ感あふれる室内風呂です。
露天風呂のような景色は望めませんが、もちろん源泉100%掛け流しで、その温泉析出物による造形美は温泉マニアならずとも目を引かれる事でありましょう。
湯口にはライオンと思われる造作がなされていますが、これもまた温泉析出物の影響で、一目見ただけではただの出っ張りにしか見えません。   長い歴史を感じさせてくれる素晴らしい内風呂です。   個人的に大変気に入りました。


今回は時間の関係で夜間入浴せざるを得ず、すべての浴場で渓谷美を堪能することはできませんでしたが、夜間に貸切風呂を利用する際に宿で渡されるランタンの元での入浴も風情があり、良い思い出となりました。

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