旭岳温泉(源泉地帯 ビラの湯&岩の湯):北海道 '08.5月
登山道はまだ雪に覆われていた | 地熱のためか源泉地帯に寝雪がない | 俗称:ビラの湯 | ||
俗称:岩の湯 | 源泉地帯の下流は沢も温い | 源泉付近に咲いていた水芭蕉 |
源泉地帯にあるという野湯へと向かう大体のルートは事前に調べてあったが、地権者の一人でもあるロッジヌタプカウシベの宿主さんに「旭岳温泉の源泉地帯に行きたい」と申し出ると、急に口が重くなり、逆に「何で知った?」と尋ねられてしまった。 宿にとっては大切な源泉地帯だからあまり足を踏み入れられたくないのであろう。 当然である。 「登山道を行けば分かる」と言われ、旭岳ロープウェー乗り場まで行くと、ロープウェーはまだ試験運転中で観光客もいない。 従業員に源泉地帯のことを尋ねても何も知らないようで、「もう日も陰るし今から山に入るのはお勧めしない」とたしなめられてしまった。 実はこの時までは、出発前に調べ上げたネット情報だけで簡単に行けると思い込んでいたのだ。 登山道入り口には案内板が立っているのだが、そこから先は除雪されておらず、一面白銀の世界だ。 標高の高い方へと歩きにくい雪の中シュプールをたどって坂道を登っていくと、どう見てもスキーコースのようであり、沢からはドンドン離れていく。 確か野湯は沢筋にあるはずだ。 周辺を見渡してみても、全てが雪に埋もれて登山道なんかどこにも無く、事前に記憶してきたネット上の風景とは全く違うのだ。 しばらく歩いて見晴らしの利く高台に出たので、辺りを見渡すと、雪原の向こうに薄っすらとゆけむりが見える。 こうなったらイチかバチか、そちらへ向かうしかない。 本来ならとても歩けたもんじゃない熊笹原の雪原を積雪がある事をいい事に、一直線にその方向へと向かった。 案の定かすかな湯気の元は暖かい沢であった。 源泉地帯はたぶんこの沢の上流なのだろうと想像はついたが、持参の長靴では沢登りは無理だし危険だ。 ここから沢から離れないようにして雪原を上流方向へと登ってみた。 そこで初めてネットで見覚えのある導湯管が雪の中から現れホッとする。 しばらく導湯管たどって歩いて行くと沢を渡る橋が現れ、雪が地熱ですっかり無くなった源泉地帯が前方に見えた。 間違えでない事を確信し、足取りも軽くなる。 ここから先は源泉槽からあふれ出した湯で一面泥沼のようだ。 やがて斜面を登りきると目の前に源泉の湯溜まりが現れる。 苔むした岩から源泉が滴り落ちている様は「美しい」の一言である。 俗称「岩の湯」・「ビラの湯」と呼ばれている温かな湯だまりで入浴させていただいた。 沢はこのあたりではあふれ出た源泉とあいまってぬるくなっているが、入浴には無理があるかな? 雪積のため登山道を見失った時は、雪原を妻と二人不安な気持ちでウロウロしたが、諦めないでよかった~。 ここはいくつかの宿の源泉地帯なので、特に気を使った入浴をするよう心がけなければならない。 |
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