湯原温泉(猫鼻の湯):長野県) '13.10月

B級感が漂うが温泉はピカイチ 川方向から見るとこんな感じ 姫川の対岸を眺めながらの入浴
露天風呂へとオーナー自ら案内 空いていれば貸切OKだそうです ドアの向こうのもうひとつの湯船

安曇郡小谷村大字北小谷字道筋3634-2  ☎0261-72-3545  icon088ie.gif  (10:00-18:00 500円)

平成7年に起きた姫川の氾濫により、この辺り一帯は壊滅的な被害を受け、今なお河川修復工事が続いています。   そんな姫川に湧く野湯を探索しに訪れた際、川沿いの林道を走り回っているうちに偶然たどり着いたのがこの湯原温泉「猫鼻の湯」です。

国道148号線を日本海方面に向け走ると長野~新潟の県境に「湯原トンネル」があります。   このトンネルの手前の沢山の幟旗が立てられた所から脇道にそれ川原に向け一気に下ると広場があり、その一角に山小屋を思わせる手造り感あふれる建物があります。   これこそ今回ご紹介する「猫鼻の湯」であります。

野湯の探索中に偶然たどり着いてしまったのですが、そのB級感あふれる風貌に私の温泉魂は鷲づかみされ、気がついたらタオル片手に入り口に向かっていました。

中を覗くと、田舎の家庭の居間のような所に本箱や冷蔵庫・茶箪笥にちゃぶ台まで置かれ、まさに飾り気の無い居住空間と言ったところでしょうか。   そこで談笑するご家族の長の様なツルツル頭の男性がニコニコしながらこちらに向かってくると、外を指差し、案内してくださるみたいです。

駐車場をはさんだ山際に造られた二つの露天風呂、そして本館の隣には休憩棟、そして本館の川側には景色の良い半露天風呂があるのだそうだ。   どうやらご案内いただいた方がオーナーで、本業はお寺の住職さん、とても気さくな方です。   やはり気さくな娘さんがこの温泉の責任者のようで、社長と呼ばれていました。(笑)

混んでいる時は男女別にする事もあると言う露天風呂を、「今日は空いているから、貸切でどうぞ!」と言ってくれたので、まずはこちらから入浴するといたしましょう。
周囲を板で囲ってある方は混み合っている時は女湯なのでありましょう。   木の箱のような湯船には今風のテント屋根が掛けられ、湯船には源泉が惜しげもなく掛け流されています。   一方を山に面した広い敷地内には椅子やテーブルも置かれ、周囲を目隠しで囲われている割には開放的な入浴が楽しめます。

こちらからのみ鍵の掛かるドアを開けて、仕切り塀の向こうにある、もう一つの露天風呂も覗いて見ましょう。   こちらは目隠しの塀もなく、見るからに開放的です。   間違いなくコッチが男湯だね。   湯船は四角い木製のもので、やはりジャンジャン源泉が掛け流されています。   私はこちらのほうが気に入りましたが、すぐ脇まで車が入って来られるので、落ち着かないと、妻には不評でした。

着替えを済ませ、本館へと向かい、今度は男女別の半露天風呂へと向かいます。
前述の今のような部屋を抜けると、すぐに脱衣所があり、浴場が見えています。   浴場は、姫川に面していて、対岸の山並みを眺めながらの入浴が楽しめます。
浴場の片隅にはユニット式のシャワールームが据え付けられていて、洗い場になっており、湯船をはさんだ反対側にはぬるい温泉(水?)が掛け流されたタライ風呂があります。

日々変化している開発途上の温泉ゆえ、数年後にはすっかり変わっているかもしれません。  事実、帰宅後に検索してみたら、今とは違う、まるで別の温泉のような画像が次々と出てくるのですから、、、。

入浴後、「居間」で妻が出てくるのを待っていたら、オーナー(親父さん)と社長(娘さん)が気さくに話しかけてくれ、私達が昼食を食いそびれたことを知ると、「常連さんが持ってきてくれたが食べきらないから、ま~、飲めや(お茶ですが)、食えや!」と大きなちゃぶ台の上に広がる食物を次々と勧めて下さり、「実は姫川に湧く野湯を探索しに来た」と私が明かすと、あれこれ話も弾み、つい長居をしてしまいました。

ただ温泉に浸かるだけでなく、オーナーご家族にまた会いに来たくなる、そんな温泉です、ここは。

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