西山温泉(元湯 蓬莱館):山梨県) '13.10月
渓谷沿いの高台に立つ蓬莱館 | 小ぶりで景色も望めない女湯 | オレンジ色した湯の花 | ||
渓谷を望む大浴場 | それぞれの脱衣所から出て来る | 温もりが伝わる木の浴槽 |
南巨摩郡早川町湯島73 ☎0556-48-2211 (10:00-15:00 1000円) 西山温泉は南アルプスに属す日本第二の高峰「北岳」の麓に湧く山間の静かな温泉地です。 温泉街全体がレトロ感溢れるそんな感じで、そのまま江戸川乱歩や横溝せいし原作の映画で使えそうなロケーションです。 フロントから館内の通路を奥に進むと階段があり、その先は外?なのです。 実はこれ新館の裏口でして、一旦サンダルに履き替えて外に出ます。 そして数メートル先にある浴場のある旧館(湯治棟)へと向かうわけです。 この旧館がなかなかいい味(鄙び感)出しておりまして、その手のマニアの目にはには文化財級と映る事間違いないものでありましょう。 予断ですが、今は亡き明治25年生まれの我が祖母が、若い頃から湯治で訪れていたという事ですからその歴史が伺えます。 旧館の廊下を進むと手前右手に女性専用風呂があります。 浴場は小ぶりな上に山側に面していて窓もなく、日中でも電気が無くては真っ暗です。 このような事からも女性蔑視が当たり前であった頃の歴史がうかがえます。 さらに廊下を先に進むと混浴の大浴場があり、男女それぞれの脱衣所入り口があります。 大浴場はとても広々していて、男女それぞれの脱衣所から直接出られる造りになっているので、混浴が苦手な方も入り易いパターンではないかと思います。 渓谷側が全面ガラス張りになっている浴場からは目の前に広がる山並みが眺望でき、季節により移り変わる風景をめでながらの入浴が堪能できる事でしょう。 大きな湯船は3つに仕切られ、それぞれ湯温が違い、入浴者はあっち行ったりこっち行ったりして湯治場らしく長湯を楽しんでいます。 浴槽は温もりが感じられる木製で、若干の温泉臭は漂うものの、ほぼ無味無臭の源泉がとうとうと注がれています。 ここの温泉にはオレンジ色した毬藻のような湯の花が浮遊しており、これもまたマニアにとっては名物となっております。 私達以外にも湯治で訪れている方々が入浴されておりましたが、湯治場らしく温泉談義にも花が咲き、皆さんのんびりと長湯を楽しんでおられました。 このような湯治場の原風景がいつまでも残るよう願わずにはいられませんでした。 |
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