米沢市大沢滑川15 090-3022-1189 (9:00-16:00 500円 11月上旬〜4月下旬の冬期は休業)
国道13号から吾妻山麓に向かう道にそれ、板谷駅を過ぎる頃道は急に狭くなる。 エンジンをうならせながら慎重に登っていくと道の行き止まりに木組みの土台が印象的な宿と滝が見えてくる。 ようやく滑川温泉 福島屋に到着した。 渓流沿いにある駐車場には自前の水力発電小屋があり、うなりを上げている。 山の中の鄙びた湯治場を想像していましたが、外見からは古さは見受けられず我が妻は喜んでいました。
福島屋は1762年創業の歴史のある旅館で、昔ながらの古風な湯治棟と今風?な新館棟に挟まれる様に玄関があります。 玄関のすぐ脇が館主ご家族の住まいの様で、とってもアットホームな感じです。
部屋の向かいにある下駄箱まで靴を持っていく昔ながらのスタイルで、トイレは共用になります。 部屋からすぐの所に内湯があり、部屋まで硫化水素臭が漂っている。 洗面所にはコイン式ガスコンロがあり、湯治場の雰囲気を醸し出しています。 自炊をすれば一泊2,500円位で宿泊できるため、長期滞在する湯治客もいらっしゃるそうです。
館内には混浴の内湯と女性専用の内湯があり、混浴の露天風呂は湯治棟の裏口から渓流沿いに少しさかのぼった所にあります。
混浴の内湯は脱衣所が男女別になっていて浴場内で合流する造りです。 広々とした浴場は、石造りの浴槽と洗い場の片隅に木製の上がり湯槽があるだけのシンプルな物ですが、窓を開ければ目の前に渓流を望む事が出来、雰囲気はとてもいい感じ。 老若男女が温泉談義に花を咲かす賑やかな湯治場の内湯をイメージしてきたので、妻と二人だけの静寂に包まれた入浴は少々寂しささえも覚えました。
温泉成分のたっぷりこびりついた湯口からは澄んだ透明な源泉が注がれていますが、湯船では白濁していてほとんど透明度はありません。 これは酸化によるものだと思いますが、宿の方の説明では、滑川温泉の温泉は日によって色が変化するそうです。
女性専用の内湯は混浴のうち湯の隣にあり、小ぢんまりした半円形の石風呂があります。 体を洗ったりシャンプーするのはこちらの方が落ち着くと思いますが、タイミングを見計らって混浴の広々とした浴場での入浴もお勧めです。
混浴の露天風呂は宿から少し離れた渓流沿いにあり、開放感は抜群です。 カーテンのついた男女別の脱衣所も設置されています。 大きな岩で作られた湯船には湧き出したばかりの源泉が注がれ、白濁した温泉には湯の花が舞っています。 私が訪れた時は長雨の直後だったため傍らを流れる渓流の流れは激しいものでしたが、その流れが穏やかな時は渓流で水浴びをすることも出来るそうです。 街灯がついているので夜間の入浴もしたかったのですが、いつものように運転疲れのためか、食事後はバタンキュウでした。
露天風呂へと向かうときに必ず通る湯治棟は昔ながらの鄙びオーラを放っていて、休憩室として開放されている1室ではお茶を飲んだり寝転がって本を読んだりする事が出来ます。 「今度は湯治で自炊なんていうのもいいかな?」なんて思いました。 カ〜チャンは絶対嫌がるだろうけれどね。
宿の雰囲気、接客、温泉、全て私好みです。 新しければいいってもんじゃないんだよな〜。 |