加賀井温泉(一陽館):長野県) '14.05月

一陽館の母屋 内風呂 湯屋 内風呂 脱衣所
鄙び感溢れる内風呂 勢い良く湧き出す源泉 湯屋から露天風呂へと続く小道
混浴の露天風呂 農家の庭先みたい 浴槽の色が違うでしょ?

長野市松代町東条55  0262-78-2016  icon088ie.gif  (8時~20時 300円/休憩入浴8時~16時 750円)

加賀井温泉は長野市郊外の田園地帯、松代温泉郷に湧く歴史ある温泉です。   温泉郷の中で、一陽館だけが加賀井温泉と呼ばれている(名乗っている)そうです。

加賀井温泉周辺の用水路は温泉成分の堆積で赤茶色に染まっていて、一陽館が近づくにつれその鮮やかさが増していきます。   公道から敷地内に入るとすぐに駐車場があり、その先左右に一陽館の建屋が立ち並んでいます。   
一番手前にある飲料の自動販売機が置かれた平屋の建物の中を覗くと、経営者らしき女性が出て来られたので、入浴料を支払おうとすると、初めての訪問かどうか聞かれます。   初めての訪問だと答えると、温泉の案内をしてから入るかどうか決めたらいいとの事。   妻が一緒だったから気を使ってくれたのかな?   
そして温泉マニアの間では有名な、源泉井戸の紹介と露天風呂は混浴である事、その他入浴に関する説明あれこれをうけます。   その時に源泉井戸の蓋を取って見せて頂けるのですが、炭酸を含んでいるせいか源泉の勢いと迫力はすざまじく、一見の価値はあります。

改めて入浴の受付をしに母屋に向かうと、駐車場における車上荒しと内湯における脱衣籠荒しへの注意、対策として「貴重品は常に目の届くところに」との注意を受けます。   こんなのどかな所でも気を許せないほど頻発しているそうです。   

受付を済ませ、あらためて敷地内を見回すと、受付をした建物の隣に旅館部らしき建物、そして庭を挟んだお向かいには湯屋があり、その隣には休憩所のある建物が立ち並んでいます。   有名な露天風呂は湯屋の奥にありその間に源泉井戸があります。

まずは脱衣しなければならないので、内風呂へと向かいます。   ドアを開け中に入ると、鄙び湯マニアなら完全にノックダウンしてしまいそうなレトロ感溢れる浴場が目に入ります。   上半分が曇りガラスの仕切り壁が男湯女湯の境で、湯船の脇に洗い場があり、壁際に脱衣棚が設置されている古式ゆかしい日本の共同浴場の原点のような浴場です。

湯船・並びに浴場の床は温泉成分のため赤茶色に変色し、その長年の堆積物によるオブジェがなんとも言えない素敵な雰囲気を醸し出しています。
内湯は脱衣のために利用してすぐに露天風呂へと向かうつもりでしたが、その雰囲気に圧倒されしばし内湯での入浴を堪能することといたしました。   淡く濁った源泉は熱くはなく長湯向きで、口に含むと塩辛苦鉄といったかなり複雑なお味がいたします。   温泉成分で石膏のように盛り上がった湯船の縁を枕に薄暗い内湯の浴槽でプカプカしていると、時の経つのも忘れてしまいそうです。

お泊りだったら内湯でまったりもいいのですが、この先もあるので、そろそろ名物の混浴露天風呂へと向かうことといたします。
内風呂の下駄箱に用意されたゴムのサンダルを履き露天風呂に向かうのがここの流儀です。   女風呂に入浴中の妻に声を掛け内湯の出口で待ち合わせます。   内湯のある湯屋の出入り口から露天風呂へは裸のまま十数メートルの小路を歩いて向かうのがここの流儀です。   混浴の露天風呂は水着や湯浴み着の着用もOKなので、女性はバスタオルなどを巻いて移動されていましたが、男性は皆さんスッポンポンでした。   もちろん私もスッポンポン。(笑)

露天風呂の湯船は2つに別れていて、それぞれ源泉が違うので、湯の色や温度も違っていました。   私達が伺った時は数人の入浴者の方がいらっしゃいましたが、ほとんどの方が常連かリピーターで湯治目的の方も多くいらっしゃいました。   観光目的の温泉場じゃなくて、湯治目的の温泉場なんですね。   温めの温泉なので長湯をする方が多くいらっしゃるようです。

こちらも内湯同様、いやそれ以上に濃そうな源泉により、浴場全体が赤茶色に染まり、温泉析出物でコーティングされた湯船付近はまるで赤茶色した鍾乳石の様です。   内湯よりもさらに濃そうな源泉は炭酸を含み湯口付近には勢いのある泡立ちも見られます。   湯船の温泉はほとんど透明度ゼロで、肩まで浸かってしまえば水面下は見ません。   おばちゃん達が多く入浴していらしたけれど、そのような意味からしても入りやすい混浴なのかな。

温めの温泉とは言え、地元のご夫婦と温泉談義に花を咲かせながら小一時間も入っていたら、のぼせそうになったので先に上がりましたが、その御夫婦はいつも半日はいらっしゃるそうです。

農家の庭先にポツンと造られた様な温泉ですが、他に類を見ない源泉とそのロケーション、是非また訪れたい温泉のひとつとなりました。

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